トマス・モア
トマス・モアは1478年、裁判官の子としてロンドンに生まれ、オックスフォードで古典を学び、すぐれた法律家となり、エラスムスの親友でもあった。ヘンリー八世のもとで着実に昇進し、1529年に大法官となった。平民でこの職に就いたのはイングランド史上初めてであった。しかし、ヘンリー八世が離婚と再婚のためにローマ教皇庁と決裂し、みずからイングランド国教会の首長となったとき、モアはそれを認める宣誓を拒み、ロンドン塔に投獄されて、1535年に大逆罪で斬首された。処刑の前に彼は、「私は王の良き僕として死ぬ。だがまず神の僕として」と言った。1935年、カトリック教会は彼を聖人に列した。