おそれとおののき/死に至る病
近日刊行 この作品の翻訳は準備中で、近く書庫で刊行されます。
解説
『おそれとおののき』は「沈黙のヨハンネス」という筆名で出版され、『創世記』のなかの、アブラハムが神の命によってひとり子イサクを献げようとする物語をくりかえし思索する。倫理の立場から見れば、アブラハムは息子を殺そうとする人である。信仰の立場から見れば、彼は「信仰の父」である。キルケゴールは、信仰は理性によって理解できるものではなく、個人が倫理の普遍性を越える「信仰の跳躍」をなし、孤独のうちに直接神と向きあうことを求めるものであり、それは人をおそれおののかせる逆説であると指摘する。『死に至る病』は「アンティ・クリマクス」という筆名で出版された。ここでいう「死に至る病」とは絶望である。人間は有限と無限、時間的なものと永遠なものとの総合であり、自分自身であろうと欲しないとき、あるいは絶望的に自分自身であろうと欲するとき、人は絶望に陥る。ただ信仰においてのみ、自己は安らかに神のうちに根拠をもつことができる。本巻は実存主義の源となったこの二作を収める。