フォイエルバッハ
ルートヴィヒ・フォイエルバッハは1804年バイエルンのランツフートに、高名な刑法学者の子として生まれた。はじめハイデルベルクで神学を学び、のちにベルリン大学に移って二年間ヘーゲルの講義を聴き、父に「私は神学から哲学へ転じました」と書き送った。エアランゲン大学の私講師であったとき、匿名で『死と不死についての思想』を出版して個人の魂の不死を否定し、著者であることが露見してからは、二度と大学に職を得ることができなかった。磁器工場の株を持つ女性と結婚し、田舎のブルックベルクで二十年あまり隠棲して著述に励んだ。『キリスト教の本質』が出版されるとドイツ思想界全体が震撼し、エンゲルスは「われわれはみな一時フォイエルバッハ派になった」と回想している。晩年には磁器工場が倒産し、貧困のうちに余生を送った。