大いなる遺産
近日刊行 この作品の翻訳は準備中で、近く書庫で刊行されます。
解説
孤児のピップは、気性の激しい姉と、心やさしい鍛冶屋の義兄ジョーに育てられた。七歳のある寒い夕暮れ、彼は沼地の墓地で一人の脱獄囚に捕まり、家から食べものとやすりを盗んでくるよう脅される。のちに彼は、裕福で風変わりなミス・ハヴィシャムの屋敷に連れていかれ、彼女のトランプの相手をする。ミス・ハヴィシャムは結婚式の日に婚約者に捨てられて以来、屋敷じゅうの時計を止め、黄ばんだ花嫁衣装を着たまま、埃にまみれたウェディングケーキのそばに座りつづけている。ピップは彼女の美しく冷ややかな養女エステラに恋をし、自分の生まれを恥じるようになる。ある日、一人の弁護士から突然、名を明かさない恩人が彼に莫大な財産を継がせ、ロンドンで紳士の教育を受けさせるという知らせが届く。ピップは恩人はミス・ハヴィシャムだと思いこむが、真相は彼の思いもよらぬものであった……。一人称で書かれたこの成長小説は、ディケンズの芸術的に最も円熟した作品の一つである。