王陽明
王守仁、号は陽明。1472年、浙江の余姚に生まれた。少年のころ聖賢となる志を立て、朱熹の「格物」の説に従って竹を前に七日七晩その理をきわめようとしたが、ついに病に倒れた。三十五歳のとき宦官劉瑾の怒りを買い、廷杖四十を受けて貴州の竜場に駅丞として左遷された。荒涼とした竜場で彼は昼夜静坐し、ある夜半忽然と大悟した。「聖人の道は吾が性に自ら足る。向に理を事物に求めしは誤りなり」。これが名高い「竜場の大悟」である。その後たびたび軍功を立て、寧王の乱を平定し、南京兵部尚書にまで昇り、新建伯に封ぜられた。心学の集大成者であり、日本の明治維新にも深い影響を与えた。