ジョゼフ・コンラッド
ジョゼフ・コンラッド、本名ユゼフ・テオドル・コンラト・コジェニョフスキは1857年、当時ロシア帝国領であったウクライナのポーランド貴族の家に生まれた。父は詩人でポーランド独立運動家であったため帝政ロシアによって流刑となり、母は流刑地で病没し、十一歳のときには父も失って、母方の叔父に育てられた。十六歳でフランスのマルセイユに出て船乗りとなり、のちにイギリスの商船隊に加わって二十年間海上をさすらい、東南アジア、オーストラリア、南米、アフリカをめぐって船長にまで昇進した。1890年、ベルギー領コンゴの河川で蒸気船の船長を務め、植民地支配の残虐を目の当たりにした。この体験が『闇の奥』の素材となった。三十代でイギリスに定住し、二十歳を過ぎてから学んだ第三の言語である英語で書いて、英文学史上最も偉大な小説家の一人となった。