羅生門・藪の中(短篇集)
近日刊行 この作品の翻訳は準備中で、近く書庫で刊行されます。
解説
土砂降りの羅生門の下で、主人から暇を出された下人は、飢え死にするか盗人になるかで迷っていたが、楼上で死人の髪の毛を抜く老婆を見る――「羅生門」はこうして生存と道徳の境目を切りひらく。「藪の中」では、藪のなかで一人の侍が死んでいる。木樵り、旅法師、放免、盗人、侍の妻、そして巫女の口を借りた侍の死霊がそれぞれ物語るが、その話は互いに食いちがい、真相はついにわからない。黒澤明はこの二篇をあわせて映画『羅生門』を撮り、「羅生門」は各人が各様に語る食いちがいの代名詞となった。本巻には「鼻」「地獄変」「蜘蛛の糸」「蜜柑」「河童」などの名篇も収める。