ボヴァリー夫人
近日刊行 この作品の翻訳は準備中で、近く書庫で刊行されます。
解説
農家の娘エンマは修道院で大量のロマンス小説を読み、そこに描かれた情熱的な恋と贅沢で優雅な生活を夢見ている。彼女は平凡で実直な、自分に夢中の田舎医者ボヴァリーと結婚するが、まもなく退屈な小さな町の暮らしと味気ない夫にうんざりしてしまう。侯爵邸での舞踏会で上流社会の華やかさを知ってからは、いっそう不満をつのらせる。彼女は色好みの地主ロドルフ、ついで若い書記レオンと次々に不倫を重ね、空想の生活を維持するために、夫に隠れて悪徳商人ルウルーから莫大な借金をする。債権者が押しかけ、恋人たちが一人また一人と彼女を見捨てたとき、彼女は砒素をあおって自殺する。フローベールは冷静で客観的な、細部の一つひとつまで正確な筆致でこの小説を書いた。彼は「ボヴァリー夫人は私だ」と言ったと伝えられる。この書は近代小説の始まりと認められている。