文化への不満
近日刊行 この作品の翻訳は準備中で、近く書庫で刊行されます。
解説
これはフロイト晩年の最も重要な文化論で、第一次世界大戦の傷痕を経て、ナチスの政権獲得の前夜に書かれた。彼はある友人の言う「大洋的な感情」から説きおこし、人間はなぜ文化のなかで幸福ではないのかと問う。彼の答えはこうである。文化は本能の抑圧と断念のうえに築かれている。ともに生活するために、人間は自らの性欲と攻撃性を抑えねばならず、この抑制は必然的に苦痛と不満をもたらす。抑圧された攻撃性は内に向かい、厳しい「超自我」と罪責感を形づくり、文化が進歩すればするほど罪責感は重くなる。生命のなかでは「エロス」と「死の欲動」とが永遠の闘いをくりひろげており、人類の運命は、エロスが攻撃と破壊の衝動に打ち勝てるかどうかにかかっている。この書はいまなお現代人の精神の状況を理解するための古典である。