六祖壇経
近日刊行 この作品の翻訳は準備中で、近く書庫で刊行されます。
解説
『六祖壇経』は、慧能が韶州の大梵寺で説いた法話の記録で、弟子の法海がまとめたものであり、中国の僧の著作のなかで唯一「経」と尊ばれる書である。慧能はまず自らの生い立ちと法を得たいきさつを語り、ついでその中心思想を説く。「菩提の自性は本来清浄なり、但だ此の心を用いれば、直ちに了して仏と成る」。人はみな仏性をもち、経典や煩瑣な修行に頼る必要はなく、一念の悟りがすなわち仏である。「迷えば即ち衆生、悟れば即ち仏」。坐禅とは身体が静かに坐ることではなく、「一切の境の上に念の起こらざる」ことである。この書によって仏教はほんとうの意味で中国の宗教となり、宋明の理学と東アジアの文化に深い影響を与えた。