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ハーマン・メルヴィル

1819–1891年

ハーマン・メルヴィルは1819年ニューヨークの裕福な商人の家に生まれた。父方・母方の祖父はいずれも独立戦争の英雄であった。十二歳のとき父が破産し、まもなく借金を残して病死したため、彼は学校をやめて銀行員、農場労働者、教師として働いた。二十歳ではじめて商船の水夫として海に出、二十一歳で捕鯨船に乗りこんで南太平洋に向かい、マルケサス諸島で船を脱走して食人族の谷で一か月暮らし、タヒチでは水夫の反乱に加わり、最後はアメリカ軍艦の水兵となって帰国した。これらの体験にもとづく南海冒険小説は一時よく売れたが、心血を注いだ『白鯨』は出版されると冷遇された。その後の作品もしだいに受けいれられなくなり、晩年はニューヨークの税関で十九年間検査官を務めて世に知られることなく過ごし、死んだときの新聞の訃報はわずか数行であった。一九二〇年代になってようやく再発見され、アメリカ最大の小説家の一人と称えられるようになった。

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