ソシュール
フェルディナン・ド・ソシュールは1857年ジュネーヴの、多くの著名な学者を輩出した家に生まれ、十五歳のときすでに、あらゆる言語を少数の語根に帰着させようとする論文を書いた。ライプツィヒでインド・ヨーロッパ語学を学び、二十一歳で『インド・ヨーロッパ諸語における母音の原初体系についての覚え書』を発表して、驚くべき推論によってある古代の音の存在を予言した。この予言は半世紀後、新たに解読されたヒッタイト語によって実証された。パリの高等研究院で十年間教えたのち、ジュネーヴ大学に戻って教え、生前に発表した著作はわずかであった。1906年から1911年にかけてジュネーヴ大学で三度にわたって一般言語学を講じ、五十五歳で没した。学生たちが講義ノートをもとに『一般言語学講義』を整理出版した。彼自身が書いたのではないこの書によって、彼は近代言語学の父となった。